生物多様性について

更新日:2024年02月13日

生物多様性とは

地球上には、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれています。これらの生命は一つひとつに豊かな個性があり、全て直接的・間接的に支え合って生きています。このように、生きものたちの豊かな個性がつながり合っていることを「生物多様性」と言います。

3つの多様性

生物多様性条約では、「生態系の多様性」「種の多様性」「遺伝子の多様性」の3つの多様性があるとしています。

多様性1 生態系の多様性

森林、里地里山、河川、干潟などさまざまな自然環境があり、それぞれの中で多くの生きものが支え合い、つながって多様な生態系が成り立っています。

多様性2 種の多様性

動植物から細菌などの微生物にいたるまで、いろいろな生きものがいます。

多様性3 遺伝子の多様性

同じ種でも異なる遺伝子を持つことにより、形や模様、生態などに多様な個性があります。

生物多様性のめぐみ

私たちは、生物多様性から暮らしに欠かせない水や食料、木材、繊維、医薬品など様々な「めぐみ」を受け取っており、いのちと暮らしを支えられています。

めぐみ1 生きものがうみだす大気と水(基盤サービス)

植物が酸素を生み、森林が水循環のバランスを整えるなど、生命の生存基盤は多くの生きものの営みによって支えられています。

めぐみ2 暮らしの基礎(供給サービス)

毎日の食卓を彩る野菜などの食料はもちろん、新聞や本などの紙製品や医療品など、生きものの遺伝的な情報、機能や形態も私たちの生活の中で利用されています。

めぐみ3 文化の多様性を支える(文化的サービス)

海に囲まれ、南北に長い国土と季節の変化に富む日本では、地域ごとに異なる自然と一体になって地域色豊かな伝統文化が育まれてきました。

めぐみ4 自然に守られる私たちの暮らし(調整サービス)

豊かな森林や河川の保全は安全な水の確保や、山地災害の軽減、土壌流出防止など、私たちが安心して暮らせる環境の確保につながります。

生物多様性に迫る危機

日本の生物多様性は4つの危機にさらされています。私たち人間活動による影響が主な要因で、地球上の生きものたちの絶滅スピードを加速させています。

危機1 開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少

鑑賞や商業利用のための乱獲・過剰な採取や埋め立てなどの開発によって生息環境を悪化・破壊するなど、人間活動が自然に与える影響は多大です。

危機2 里地里山などの手入れ不足による自然の質の低下

二次林や採草地が利用されなくなったことで生態系のバランスが崩れ、里地里山の動植物が絶滅の危機にさらされています。また、シカやイノシシなどの個体数増加も地域の生態系に大きな影響を与えています。

危機3 外来種などの持ち込みによる生態系のかく乱

外来種が在来種を捕食したり、生息場所を奪ったり、交雑して遺伝的な攪乱をもたらしたりしています。また、化学物質の中には動植物への毒性をもつものがあり、それらが生態系に影響を与えています。

危機4 地球環境の変化による危機

地球温暖化は国境を越えた大きな課題です。平均気温が1.5~2.5度上がると、氷が溶け出す時期が早まったり、高山帯が縮小されたり、海面温度が上昇したりすることによって、動植物の20~30%は絶滅のリスクが高まるといわれています。

生物多様性のために私たちができること

「いのち」と「暮らし」を支える生物多様性を私たちは、自らの手で危機的な状況に陥らせています。

一人ひとりが生物多様性との関わりを日常の暮らしの中でとらえ、実感し、身近なところから行動することが、生物多様性を守るための第一歩です。

「国連生物多様性の10年日本委員会」によって定められた5つのアクション「MY行動宣言」の中から、今日からできることを選んで生物多様性を守るために行動しましょう。

行動1 地元でとれたものを食べ、旬のものを味わいます

地域でとれたものをその地域で消費する地産地消や旬のものを食べることは本来の自然の姿です。地産地消などは農地等の生態系の保全や輸送・生産に必要なエネルギーの削減にもつながります。

行動2 生の自然を体験し、動物園・植物園などを訪ね、自然や生きものにふれます

自然や生きものとのふれあいは、身近な自然や生きものに対する興味や関心を深め、家庭や地域での対話や生物多様性に対する理解を広げます。また、地域の魅力を再発見・創造するきっかけになります。

行動3 自然の素晴らしさや季節の移ろいを感じて、写真や絵、文章などで伝えます

自然や生きものについて、体験したことや興味を持ったことを写真や絵、日記などに記録することで、四季折々の生きものが数多くいることに気づき、豊かな自然の素晴らしさを実感できます。また、それを伝えることで、多くの人が自然の素晴らしさに気づく機会となります。

行動4 生きものや自然、人や文化との「つながり」を守るため、地域や全国の活動に参加します

全国各地で行われているイベントに参加することで、その地域における生きもののつながりや暮らしと自然のつながり、過去・現在・未来へと継承される文化的なつながりなど、さまざまな「つながり」を実感することができます。

行動5 エコマークなどが付いた環境に優しい商品を選んで買います

近年、木製品や水産物、農産物について、生物多様性に配慮した方法で生産されている製品を第三者機関が認証する取組が進められています。私たち消費者は、こうした製品を選ぶことで生物多様性を守ることができます。

市内で行われている自然観察会

「宇佐自然と親しむ会」が毎月1回、市内で「自然観察会」を行い、野鳥や昆虫、植物など野生動植物の観察や保護活動を行っています。

ご興味のある方は、生活環境課環境保全係までお問い合わせください。

この記事に関するお問い合わせ先

生活環境課 環境保全係
〒879-0492 大分県宇佐市大字上田1030番地の1 本庁舎1階

電話番号:0978-27-8132
ファックス:0978-32-2331

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