オオサンショウウオ3D標本全国初公開!(外部リンク有)
この度、全国初の取組として、特別天然記念物オオサンショウウオの3D標本化をすることとなり、宇佐市ホームページ及び専用サイト「CT生物図鑑」にて公開されています。
この3Dデータは、オオサンショウウオをCTスキャンすることで3Dデータを読み取ることで、非破壊的に骨格や内臓など体の内部構造を把握することができるデジタル標本となっています。
文化財となっており、法律で保護されている特別天然記念物オオサンショウウオについて、CTスキャンを撮影し、全国に公開するということ自体が全国初の取組となります。
3D標本は研究や学習教材、その他標本化への活用なども検討できる貴重な資料でもあります。専用サイト「CT生物図鑑」では、マウスやタッチ操作など感覚的操作で動かすことができますので、ぜひ体験してみてください。
オオサンショウウオ3Dイメージ
3D標本とは・・・
3D標本は、自然史標本のデジタル化の一種です。
今回データ化に使用したものは、コンピュータ断層撮影(Computerd Tomography)、通称CTスキャンと呼ばれる放射線などを利用して物体を走査しコンピュータを用いて処理することで、物体の内部構造を画像として構成する技術で撮影したものです。
この他の手法としては、フォトグラメトリ(物体を様々な方向から撮影した写真をコンピューターで解析し、3Dモデルを立ち上げる技術)などがあげられます。
オオサンショウウオの標本(ホルマリン)
CT撮影時の機材内部のようす
オオサンショウウオ発見から標本化までの経緯
平成30年6月に、宇佐市院内町の田んぼの用水路で死亡しているところを地元農家の通報を受け、宇佐市教育委員会が確保したのち、北九州市立いのちのたび博物館協力のもと冷凍保管されていました。
その後、研究・教育活用をすることを目的として標本化をすることとなり、3D標本の作成が決定しました。
※特別天然記念物および準絶滅危惧種であるオオサンショウウオは、文化財保護法等で制限されているため、標本化にあたっては、文化庁および環境省に確認のうえ実施しました。
標本化で判明したこと・専門家の意見
今回の標本化にあたり、非破壊的に標本が抽出できたことで大きく3点判明しました。
(1)消化管の内容物がはっきりと確認できたこと
(2)頭部下顎部の骨折が判明したこと
(3)鋭い鋤骨歯が確認できたこと
詳細については、外部サイト「CT生物図鑑」にてタッチ・マウススクロールによる直感的な操作で確認いただけますのでお試しください。
特別天然記念物オオサンショウウオ及び自然史の専門家の方から本標本についてコメントをいただいておりますので特設ページにて解説しています。
今後の活用について
(1)研究活用
今回判明したことや精細な骨格等の3Dイメージなどは、専門の研究機関などにデータ提供し、謎の多い特別天然記念物オオサンショウウオの生態解明に努めます。
(2)教材活用
3D標本を活用した取組として、市内商業施設や展示施設、学校等と連携し、生物多様性・環境・3Dプログラミングの仕組みを学ぶための教材として、ICT学習や特別展示などを検討しています。
実際のオオサンショウウオを見るには
オオサンショウウオは特別天然記念物のため、文化財保護法等で保護されており、実際に見ることができる場所は限られています。
宇佐市内では「道の駅いんない」で見ることができます。
道の駅いんないのオオサンショウウオは飼育されているオオサンショウウオの中でも最大級で、体長は131.5cm、体重は25.05kgあります。(平成30年7月時点)
オオサンショウウオを見つけたら・・・
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社会教育課 文化財係
〒879-0492 大分県宇佐市大字上田1030番地の1 本庁舎3階
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更新日:2020年06月24日