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長洲精霊送り(御殿灯籠)

更新日:2025年08月15日

平成28年に国の選択無形民俗文化財になった「長洲の初盆行事」をご存じですか?

宇佐市長洲地区には、初盆家庭に据えられる絢爛豪華な灯籠があります。長い歴史があると言われるその灯籠は、その豪華さから「御殿灯籠」と呼ばれ、長洲地区で脈々と受け継がれてきました。地区内で文化として深く根付いてきた長洲の初盆行事を紹介します。

長洲の初盆

御殿灯籠は、神社仏閣を模した家屋や滝などを配置した、大きいもので幅3mを超える巨大な灯籠です。木と紙でできており、全てを職人たちが3カ月の期間をかけて手作りします。金額は50万円以上と大変高価なものです。灯籠には新仏が宿るといわれ、お盆の間初盆家庭に飾られます。

初盆家庭に飾られた御殿灯籠1
初盆家庭に飾られた御殿灯籠1

長洲の精霊送り

8月15日 お供え物とともに自宅前に出された御殿灯籠は、しばらく披露されます。

自宅前に出された御殿灯籠1
自宅前に出された御殿灯籠2

御殿灯籠は、漁業に従事していた方は海に寄ったり、それぞれのゆかりの土地に寄ったあとに、親族・友人らによって共同墓地まで神輿のように担いで運ばれます。

親族・友人らによって共同墓地に運ばれる御殿灯籠1
親族・友人らによって共同墓地に運ばれる御殿灯籠2

死者の霊を慰めるといわれる盆口説きを唄い、太鼓を叩いたりマッカセ踊りを踊ったりしながら賑やかに共同墓地に向かいます。

長洲 精霊送り 1(動画ファイル:3.9MB)

親族・友人らによって共同墓地に運ばれる御殿灯籠3
共同墓地に運ばれた御殿灯籠

共同墓地に到着すると、御殿灯籠は、墓前に供えられた後、共同墓地灯籠焼却場にて、惜しげもなく燃やされます。燃え盛る炎は、送り火として、新仏をあの世へと送り届けると言います。職人たちによって3ヶ月かけて手作りされた御殿灯籠は、木と紙でできているためわずか10分ほどで燃えてしまいます。

長洲 精霊送り 2(動画ファイル:2.9MB)

燃える御殿灯籠1
燃える御殿灯籠2

灯籠が燃え尽きると、長洲の初盆は、静かに終わりを告げます。

全国的にも珍しい初盆行事。これが長洲地区伝統の「精霊(しょうろう)送り」です。

広報うさ 令和5年8月号 特集記事

https://www.city.usa.oita.jp/material/files/group/7/0508kouhou2-7.pdf