令和元年度宇佐市成人式 式辞(令和2年1月12日)

更新日:2020年07月08日

市長あいさつ
新成人の主張

輝ける令和2年の新春を迎え、本日、晴れやかに成人式を迎えられた皆様、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。また、新成人祝福のため、大変お忙しい中ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、誠にありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。

新成人の皆様におかれましては、本日より輝かしい未来に向かってのスタートを切ることとなりますが、皆様の姿を拝見しますと、将来の自己実現のために頑張っていこうという熱意を感じ、とても頼もしく思います。 そんな皆さんに宇佐市では、郷土の偉人を描いたマンガ本を進呈しております。これまで前人未到の69連勝を成し遂げた横綱双葉山など7冊を刊行しておりますが、本日はちょうど今月19日に「没後100年、広瀬井路通水150年」の記念事業が予定されている「日本三大疏水の父 南一郎平」のマンガ本を記念品として贈呈するとともに、贐として南一郎平のお話をご紹介したいと思います。 宇佐平野の中央を南北に流れる駅館川の西側には、奈良時代から条里制の区画をもつ広大な水田が広がっていました。一方、東側は川面よりも二十メートルも高い台地であったため、水に乏しく、米がつくれず、江戸時代までは畑作にしか利用できませんでした。人々の生活は苦しく、畑に水を引き、水田で米をつくることが長年の夢でした。その一帯に現在では広大な水田が広がっているのは、広瀬井路が豊富な水を届けているからです。この広瀬井路を完成させた人物が宇佐市金屋で大庄屋をしていた南一郎平です。

一郎平は、二十代半ばで父親がやり残した広瀬井路の工事再興を決意、同志を集め、周囲を説得し、資金の調達に奔走しました。一八六五年(慶応元年)二十九歳の時、本格工事に着手し、八年後の一八七三年(明治六)に夢は実現しました。しかしながら莫大な資金を工面するため、私財をなげうっただけでは足りず、手形を発行するも、返済ができずに二度の入牢まで経験しての成功でした。

そんな一郎平には、人生を決定づけた大恩人との出会いが二回ありました。一人は、完成の保証がない広瀬井路工事に莫大な資金の援助を確約してくれた広瀬久兵衛です。もう一人は、一郎平の人物と手腕にほれ込んで、のちに日本三大疏水と呼ばれる大規模な事業へといざなった松方正義、のちの内閣総理大臣です。

日本三大疏水とは、福島県の安積疏水、栃木県の那須疏水、滋賀県と京都府にまたがる琵琶湖疏水の三か所を指します。いずれも、国家事業的な規模で計画され、日本の近代文化にも大きく貢献しました。疏水はもはや、農業用水にとどまらず、市民の飲料水の確保や水力発電による電力の供給など、市民生活に欠かせないインフラをも担っていきました。このすべての事業に南一郎平がかかわったことから、日本三大疏水の父と呼ばれているのです。

一郎平がふるさとの夢のため、先人から受け継ぎ磨き上げた手腕を今度は国の夢のために発揮されることになったのです。夢をあきらめないこと、人との出会いを大切にすることなど南一郎平の生き様は、現代を生きる我々に多くのことを教えてくれます。 新成人の皆さんは、それぞれの夢や目標に向かってこれからの人生を送ろうと決意を新たにしていることと思います。宇佐市では皆様の夢実現に向けて様々な応援ツールを準備しております。特に、地元で活躍したいと考えている皆さんに対し、就職情報の紹介や奨学金返済支援などのUIターン対策等を行っておりますので、積極的な活用をお願いいたします。 終わりになりましたが、皆様をここまで立派に育て上げられましたご家族の方々に敬意を表しますとともに、皆様の輝かしい未来を祝し、式辞といたします。

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