平成28年度宇佐市成人式 式辞(平成29年1月8日)

更新日:2020年08月26日

成人式市長式辞

輝ける平成29年の新春を迎え、本日、晴れやかに成人式を迎えられた皆様、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。また、新成人祝福のため、大変お忙しい中ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、誠にありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。

さて、本日の成人式では、式典に引き続き、新成人主催による「新成人のつどい」が行われます。また、新成人による社会貢献活動として、宇佐神宮の清掃活動も実施していただきました。心より感謝申し上げますとともに、新成人としての自覚と熱意を感じ、とても頼もしく思っております。

そんな皆さんに宇佐市では、記念品として宇佐学マンガシリーズ「南一郎平」という本を進呈しております。大人としての第一歩を踏み出される輝かしい門出にあたり郷土の偉人「南一郎平」の話をご紹介したいと思います。

宇佐平野の中央を南北に流れる駅館川の西側には、奈良時代から条里制の区画をもつ広大な水田が広がっていました。一方、東側は川面よりも二十メートルも高い台地であったため、水に乏しく、米がつくれず、江戸時代までは畑作にしか利用できませんでした。人々の生活は苦しく、畑に水を引き、水田で米をつくることが長年の夢でした。その一帯に現在では広大な水田が広がっているのは、広瀬井手が豊富な水を届けているからです。この広瀬井手を完成させた人物が南一郎平です。

一郎平は、二十代半ばで父親がやり残した広瀬井手の工事再興を決意、同志を集め、周囲を説得し、資金の調達に奔走しました。一八六五年(慶応元年)二十九歳の時、本格工事に着手し、八年後の一八七三年(明治六)に夢は実現しました。しかしながら莫大な資金を工面するため、私財をなげうっただけでは足りず、手形を発行するも、返済ができずに二度の入牢まで経験しての成功でした。

そんな一郎平には、人生を決定づけた大恩人との出会いが二回ありました。一人は、完成の保証がない広瀬井手工事に莫大な資金の援助を確約してくれた広瀬久兵衛です。もう一人は、一郎平の人物と手腕にほれ込んで、のちに日本三大疏水と呼ばれる大規模な事業へといざなった松方正義、のちの内閣総理大臣です。

日本三大疏水とは、福島県の安積疏水、栃木県の那須疏水、滋賀県と京都府にまたがる琵琶湖疏水の三か所を指します。いずれも、国家事業的な規模で計画され、日本の近代文化にも大きく貢献しました。疏水はもはや、農業用水にとどまらず、市民の飲料水の確保や水力発電による電力の供給など、市民生活に欠かせないインフラをも担っていきました。このすべての事業に南一郎平がかかわったことから、日本三大疏水の父と呼ばれているのです。

一郎平がふるさとの夢のため、先人から受け継ぎ磨き上げた手腕が、今度は国の夢のために発揮されることになったのです。夢をあきらめないこと、人との出会いを大切にすることなど南一郎平の生き様は、現代を生きる我々に多くのことを教えてくれます。

新成人の皆様方には、このような素晴らしい郷土の偉人に学びながら、ご自身の将来の夢に向かって臆することなく、大きく羽ばたいていかれることを心より期待いたしております。

なお、宇佐市では皆さんの夢実現に向けて様々な応援ツールを準備しております。特に、地元で活躍したいと考えている皆さんに対し、就職情報の紹介やUIターン対策等を行っておりますので、積極的な活用をお願いします。

終りになりましたが、皆様をここまで立派に育てあげられましたご家族の方々に深く敬意を表しますとともに、皆様の輝かしい未来を祝し、式辞といたします。

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