市長コラム「11代桂文治 その3」(令和5年9月号)
11代桂文治 その3
桂文治 いんない寄席
令和4年10月、院内文化交流ホール30周年記念行事として「11代桂文治独演会〜いんない寄席〜」が開催されました。ニコニコとして親しみやすいルックス、パワフルな爆笑噺(はなし)が持ち味の文治師匠。会場には多くの観客が詰めかけました。
演目の最初は『時そば』。有名な古典落語です。そばを勢いよくすする仕草や音は圧巻。食べ終わると一文銭を主人の手のひらにのせながら、八(やあ)と数えたところで「今、何時でい」と尋ねる。九つ(午前0時)と答えると、間髪入れずに十(とお)と続け一文ごまかす。これを見ていた男がマネすると、今度は余計に支払うというオチに会場は大爆笑です。
続いての演目は『目黒のさんま』。有名な噺なので、あらすじは割愛しますが「さんまは目黒に限る」という殿様の残念そうで、得意げな表情と口調はまさに名人芸。11代桂文治襲名から10年。持ち前のパワフルさに加え、円熟味を増した芸に観客一同酔いしれました。
噺家の人間国宝は、5代目柳家小さん、3代目桂米朝、10代目柳家小三治の3人。4人目として桂歌丸師匠を推す声がありましたが、認定前にお亡くなりになりました。11代桂文治師匠には、宇佐市のPRはもとより人間国宝を目指し、さらに芸を磨いていただきますようエールを送りたいと思います。
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更新日:2023年08月17日