市長コラム「広がる八幡神 その2 ~石清水八幡宮〜」(令和3年12月号)
広がる八幡神 その2 ~石清水(いわしみず)八幡宮〜
石清水八幡宮(京都府)
794年、都が奈良から京都に移りますが、仏の守護神として八幡神を勧請(かんじょう)(分霊)するブームは続きます。また、827年には比叡山延暦寺の僧金亀(こんき)が宇佐神宮にこもり、その後、豊後国柞原(ゆすはら)に八幡神を勧請、柞原八幡宮となるなど、地方にも広がりを見せます。
比叡山延暦寺は天台宗の総本山で、最澄が興した宗派です。なお、最澄は入唐の満願成就、御礼参りに宇佐神宮を訪れています。延暦寺は、邪気が入って来るとされる京都の鬼門(北東の方角)を護る国家鎮護の道場として栄えます。ただ裏鬼門(南西の方角)が締まっていません。
このような中、859年、奈良大安寺の僧行教が宇佐神宮で経を唱えると、八幡神は行教に対し《吾(わ)れ都近き石清水男山の峰に移座して、国家を鎮護せん》と託宣します。翌年、八幡市男山に竣工したのが石清水八幡宮で、ちょうど都の裏鬼門にあたります。京都の都は仏である延暦寺と神である八幡神から護られ、今日まで栄えているのです。
移座するという意味は、今でいう地方企業が東京本社を置くようなイメージです。八幡神は都との連絡調整や勧請ビジネスへの対応などのため、本社機能を都の近くに移したのではないかと考えます。やがて八幡神は朝廷の厚い崇拝を受け絶大な力を持ちます。次回は鶴岡(つるがおか)八幡宮についてご紹介します。
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更新日:2023年05月19日