市長コラム「広がる八幡神 その1 ~手向山八幡宮〜」(令和3年11月号)

更新日:2023年05月19日

広がる八幡神 その1 ~手向山(たむけやま)八幡宮〜

手向山八幡宮(奈良県)

手向山八幡宮(奈良県)

  宇佐神宮を紹介するとき、全国に4万社ある八幡さまの総本宮とよく言いますが、なぜそうなったのか、3回にわたりお話しします。


743年、聖武天皇は大地震の発生、天然痘の大流行、相次ぐ政争など世の中の乱れを仏の力で治めようと、大仏造立の詔(みことのり)を出します。しかし、大仏造立という国家事業は困難を極め「日本は神の国なのに仏に頼るからだ」など批判の声が出始めます。

  そのようなとき、宇佐地方の神である八幡神から《八百万(やおよろず)の神を率いて必ず成功させる》《大仏に塗る金は国内から必ず出る》といった内容の託宣が届きます。隼人の乱や藤原広嗣の乱の鎮圧で実績のある八幡神からの託宣に聖武天皇は大喜びします。しかも、実際に陸奥国から金が献上されたため、都での八幡神人気は一気に高まります。

  さらに、大仏の完成が近づくと、八幡神は《自ら上京し大仏と対面する》と託宣。孝謙天皇に譲位した聖武太上天皇は、梨原宮(なしはらのみや)を造り神仏習合の神として八幡神を迎えます。大仏完成後は東大寺の近くの手向山八幡宮に鎮座し、大仏の守護神となりました。一地方の八幡神が国家神へと駆け上った瞬間です。東大寺に八幡神が祭られると、薬師寺など他の大寺院からも守護神として勧請(かんじょう)(分霊)されるようになります。次回は、石清水(いわしみず)八幡宮についてご紹介します。

この記事に関するお問い合わせ先

秘書広報課 広報広聴係
〒879-0492 大分県宇佐市大字上田1030番地の1 本庁舎3階

電話番号:0978-27-8106
ファックス:0978-32-1138

メールフォームによるお問い合わせ

ページに関する評価
このページは参考になりましたか?
このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?