市長コラム「赤塚古墳と小部遺跡 その2」(令和2年9月号)
赤塚古墳と小部遺跡 その2
先月号で紹介した赤塚古墳から、約4キロメートル西の荒木・上乙女地区に小部(こべ)遺跡があります。以前の発掘調査で200mを超す環濠(かんごう)の中に、南北約50m、東西約37mの柵を巡らせた区画施設や外来系土器などの存在が明らかになっていました。豪族の居館跡と考えられましたが、区画施設に伴う建物の規模や構造などまではわからない状況でした。
そのような中、昨年、宅地開発に伴い調査したところ、中心部に礎石を使わず、そのまま柱を建てた穴が2m間隔で並ぶなど、3間×4間、約45平方メートルの大型建物であったことが判明しました。また、建物の内側にも床を支える柱の穴が並んでいることから、高床式の建物であることもわかりました。
赤塚古墳は小部遺跡から見て東の高台、陽が昇る場所で、お互い見える位置にあります。専門家は小部遺跡の大型建物は当時の宇佐地方を治め、赤塚古墳に埋葬された人物の執務場所と考えています。ここでヤマト政権から下賜(かし)された銅鏡のお披露目や赤塚古墳築造プロジェクトが推進されたに違いありません。
古墳と居館の関係性が想定できる例は珍しく、学術的価値は極めて高いといえます。市ではこの貴重な文化財を未来に残していけるよう、国の史跡指定を目指しています。
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更新日:2023年04月06日