市長コラム「蓑虫山人 その2」(令和2年6月号)

更新日:2023年04月06日

蓑虫山人 その2

元治元年(1864年)、明治維新の直前に宇佐を訪れた蓑虫山人は、まず宇佐神宮に参拝しています。絵日記上巻には、勅使街道から銅鳥居、呉橋、仁王門、弥勒寺、参道の商家が鳥瞰図(ちょうかんず)的に描かれています。現在の弥勒寺は講堂・金堂などの遺構が確認されているのみですが、蓑虫山人の目を通して七堂伽藍の雄姿を見ることができます。上宮の絵もあり、文化元年(1804年)宇佐奉幣使、四辻左中将が松を奉納植樹したと記されています。
また、宇佐の名産として久々姥(くうば)餅と宇佐飴が紹介されています。久々姥餅はあんこ入りの小さな餅で、七軒の餅屋を倍々食いすると無料になったそうです。宇佐飴は応神天皇の御乳飴として伝えられています。麦芽やもち米などで作られ、甘く栄養豊富で人気があり「竹ノ皮ニテ包ム」と記されています。

豊前国宇佐大神宮

豊前国宇佐大神宮

 

宇佐郡名産の久々姥餅屋と名産宇佐飴図ほか

宇佐郡名産の久々姥餅屋と名産宇佐飴図ほか

6月15日には60年ぶりの勅祭が斎行されています。絵日記下巻には約200人からなる奉幣使大行列や、ご利益にあずかろうと群衆が奉幣使の清めた手洗水を目に擦り込んだりする様子が描かれています。蓑虫山人でさえ混雑にまぎれて手洗水の柄杓を頂き、有頂天で逃げ去ったと記しているぐらいです。どうも蓑虫山人は勅祭に合わせて宇佐を訪れたようです。次回は文人墨客などを紹介します。

奉幣使宇佐八幡宮社参の図

奉幣使宇佐八幡宮社参の図

奉幣使社参後の群衆参詣の図

奉幣使社参後の群衆参詣の図

この記事に関するお問い合わせ先

秘書広報課 広報広聴係
〒879-0492 大分県宇佐市大字上田1030番地の1 本庁舎3階

電話番号:0978-27-8106
ファックス:0978-32-1138

メールフォームによるお問い合わせ

ページに関する評価
このページは参考になりましたか?
このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?