市長コラム「漱石の初詣」(平成31年1月号)
漱石の初詣(H31.1月号)
今からちょうど120年前の明治32年1月2日、宇佐神宮の初詣客の中に明治の文豪、夏目漱石の姿がありました。当時、熊本で教鞭をとっていた漱石は、豊州鉄道の終点宇佐駅(現JR柳ヶ浦駅)経由で参拝したのです。その時詠んだ俳句の一部を紹介します。
「兀として 鳥居立ちけり 冬木立」 「神苑に 鶴放ちけり 梅の花」 「神かけて 祈る恋なし 宇佐の春」
高くそびえる大鳥居、梅と鶴の紅白で彩られたご神域。漱石が歩んだ情景が浮かびます。上宮で詠んだのが3句目です。漱石は3年前に結婚、妻は妊娠中でしたが、以前流産したこともあって妻を残しての参拝でした。様々な雑音が聞こえる中、漱石にしてみれば「神かけて」安産をお祈りしたのだ、そう言いたかったのではないかと推察しています。
その年の5月、長女は無事誕生、翌年英国に留学します。帰国後、処女作「吾輩は猫である」が大ヒット。宇佐神宮への初詣を機に運気が一気に上昇したとしか思えません。八幡神は当時から偉大なパワースポットだったのです。新年に当たり、このパワーが総ての皆様に降り注ぎますよう心からお祈りしています。
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更新日:2023年04月07日