市長コラム「道鏡事件と和気清麻呂 その1」(平成31年3月号)

更新日:2023年04月06日

道鏡事件と和気清麻呂 その1

今年は道鏡事件から1250年という節目の年に当たっています。神護景雲3年(769年)、大宰府の主神より「弓削道鏡を天皇にすれば天下は太平になる」という宇佐八幡神の神託が朝廷に奏上されました。称徳天皇が真偽を確かめるべく和気清麻呂を宇佐に派遣すると「無道の者(道鏡)を排除せよ」との神託を持ち帰り、道鏡の天皇即位が阻止されたという事件です。

称徳天皇は奈良の大仏建立で宇佐八幡神と関係が深い聖武天皇と光明皇后の皇女で、孝謙天皇が再び即位(重祚)したものです。また、道鏡は河内国(大阪府八尾市)出身で、禅行と医術に長けた僧として称徳天皇の信頼を得、藤原仲麻呂(恵美押勝)の乱以後、藤原氏を抑えて太政大臣禅師、法王へと昇り詰めます。一族の出世も目覚ましく、道鏡の実弟弓削浄人は九州全域を治める大宰帥(長官)に就いていました。

権力闘争に明け暮れていた奈良時代。勢いに乗る道鏡一派が天皇の地位を狙って画策したとしても不思議ではありません。一方、反道鏡派も黙っていません。次回は和気清麻呂を中心に事件を探ってみたいと思います。

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