市長コラム「松本清張氏と郷土愛」(平成30年3月号)
松本清張氏と郷土愛(H30.3月号)
昨年、安心院高校において「郷土愛」というテーマで講演する機会をいただきました。その中で松本清張氏の小説「陸行水行」の冒頭の一部を紹介しました。
《バスは山路の峠を走るが、その峠を越すと山峡が俄かに展けて一望の盆地となる。早春の頃だと、朝晩、盆地にも靄が立籠め、墨絵のような美しい景色となる。ここの地名は安心院と書いて『あじむ』と読ませる》
「陸行水行」は昭和38年に発表された邪馬台国論争をめぐる推理小説です。物語は主人公が安心院の妻垣神社を訪れるところから始まり、道鏡事件など奈良時代の重要な局面で度々宇佐神宮が登場する不思議さに触れ「宇佐の研究は日本古代史の中で一つのアナだ」と言わせています。
学生時代にこの小説と出会った私は、我が郷土の歴史が古代史の謎を解く鍵となっていることに驚きと興奮を覚えると同時に熱烈な郷土ファンになったのでした。講演後、将来郷土のために役立ちたいという声を沢山いただきました。卒業後はそれぞれの道を歩む高校生。どのような道に進もうとも郷土を愛する心を忘れないで欲しい、そう願いつつ峠を後にしました。
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更新日:2023年04月07日