事業の目的

更新日:2021年10月15日

整備前の勅使街道

舗装が痛み、空地の目立つ勅使街道

宇佐市は、文化財の宝庫といわれるように古い歴史を持つ町です。とりわけ宇佐地区は、全国4万社余りの八幡社総本宮である宇佐神宮の社前の開け宿場として鳥居前町が栄えていました。江戸時代には、伊勢神宮における「古市」のような歓楽街も寄藻川沿いにあり、往時は相当な賑わいであったと記録されています。しかし、近年は少子化高齢化が進み、地域には空地・空家が目立ち、かつての輝きを失いつつある状況にありました。

そこで官民協働のもと、平成25年度から街なみ環境整備事業を活用し、歴史と緑が調和した景観を形成することで、宇佐神宮のお膝元として歴史的に成立した鳥居前町の再生に取り組みました。

宇佐地区の歴史と概要

宇佐市の北部に位置する宇佐地区は、中心街である四日市地区やJR宇佐駅に国道10号線で結ばれる、水田と森に囲まれた閑静な住宅街です。かつては宇佐宮中と呼ばれる宇佐宮関係者しか住むことのできない特別な場所でした。

宇佐地区の街なみの歴史は古く、平安時代まで遡ります。禊川である寄藻川にかかる呉橋へまっすぐ伸びる「勅使街道」は、かつてより宇佐神宮へ参向する勅使(天皇の使者)一行が通る道で、この街道を軸に町の骨格が形成されています。また勅使街道とともに、江戸時代の絵図に描かれている横町通り、魚町通り、新町通り、米町通りは、今も変わらず宇佐地区の街なみをかたちづくっています。

蓑虫山人絵日記「豊前国宇佐大神宮」

江戸時代末期、蓑虫山人によって描かれた宇佐地区

宇佐地区街なみ環境整備事業

かつては鳥居前町として栄えた宇佐地区ですが、車社会の発達に伴い、町から商店は消え、少子高齢化が進み空地・空家が増加。年間180万人もの参拝客が訪れる宇佐神宮のお膝元にありながら、地区を散策する観光客は少なく、恵まれた歴史や緑もまちづくりに活かされていない状況でした。

そこで平成24年8月、宇佐小学校区内の住民により「宇佐神宮周辺景観まちづくり推進協議会」を発足。協議会メンバーが中心となり、ワークショップやセミナーを開催。良い点・悪い点をピックアップし、協議を進めた結果、かつて町の中心街であった「勅使街道」と、現代の宇佐神宮へのメインゲートである「横町通り」を軸とした、周辺エリア36.7haを事業計画地区に設定し、事業内容を決定しました。

同年、宇佐市は「宇佐市景観条例」を制定。当事業計画地区を「景観形成重点地区」に位置付け、地区内に点在する歴史的な文化遺産を活かし、宇佐市の観光の顔としての整備・保全を図ることとしました。

事業計画区域図

宇佐地区街なみ環境整備事業対象地区

また協議会は区域内における住民同士による「まちづくり協定」を締結し、家屋や外壁等の整備・修繕、周辺環境への配慮などにルールを定めることで、自主的なまちづくりに取り組むこととしました。

このように策定した事業計画と宇佐地区まちづくり協定に基づき、官民協働で街なみの整備を行いました。

 

この記事に関するお問い合わせ先

都市計画課 景観・公園整備係
〒879-0492 大分県宇佐市大字上田1030番地の1 本庁舎2階

電話番号:0978-27-8181
ファックス:0978-32-2331

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