菱形池

更新日:2024年02月07日

昭和大造営前の菱形池

昭和大造営前の菱形池(ひしがたいけ)

宇佐神宮境内の中央にあるこの大きな池は、八幡大神が初めて現れたとされる場所であり、宇佐神宮の歴史のはじまりの場所ともされる。池に浮かぶ島々には小さな神社や能楽殿があり、かつては和気清麻呂を御祭神とする護皇神社や大弐堂と呼ばれるお堂も建立されていた。

池には色とりどりの鯉や亀、水鳥などが生息し、周囲の藤や蓮の花、菖蒲、紅葉樹が季節ごとに美しい風景を見せてくれる。

菱形池を泳ぐ錦鯉
甲羅干しする亀

菱形池の南東の岸に、御霊水という泉がある。この泉は常に清水が湧き出て絶えることがない3つの霊泉で、八幡大神は571年に三歳の童子の姿でこの菱形池のほとりにある泉に現れ、自分は応神天皇であること、そして日本を守護することを告げたとされる。

この泉は「お鍛冶場」とも呼ばれるのは、鍛冶の翁が現れたという故事や、社僧の神息がこの御霊水で社宝の刀「神息」を鍛えたという伝えによる。

昭和大造営前の御霊水

昭和大造営前の御霊水

御霊水の鳥居
御霊水

御霊水

毎年10月に宇佐神宮で行われる風除報賽祭(ふうじょほうさいさい)は、作物が風水害等から護られ、五穀豊穣となったことを神に感謝する祭事である。その祭典の一つとして、「御神能」が能楽殿にて奉納される。宇佐神宮御神能は、神前で奉納する能楽としては、厳島神社の桃花祭御神能とならび日本を代表するものであり、大分県の無形文化財に指定されている。

菱形池中央の大きな島にある能楽殿は、もともとは現在の手水舎あたりにあったが、昭和大造営に伴い、現在地に移された。

昭和大造営前の能舞台

昭和大造営前の能楽殿

御神能(大正時代)

御神能(大正時代)

能舞台

能楽殿

菱形池の小さな島にある水分神社は、竜神様とも呼ばれる水の神様。

“みくまり”を“みこもり”と解し子供を守り育てる神としても信仰されている。

昭和大造営前の水分神社

昭和大造営前の水分神社

水分神社
水分神社がある島にかかる橋

水分神社

能楽殿と同じ菱形池中央の大きな島にある木匠祖神社は、宮大工、寺大工、桧皮師、塗師の職人の守護神である。

昭和大造営前の木匠祖神社

昭和大造営前の木匠祖神社

木匠祖神社の鳥居
木匠祖神社の本殿

木匠祖神社

平安時代後期1088年、菱形池の小さな島に大弐堂と呼ばれるお堂が建立され、現在、極楽寺に安置されている阿弥陀如来像が本尊として祀られていた。明治元年に発令された神仏判然令によって大弐堂は取り壊され、その跡地に絵馬殿が建てられた。絵馬殿には、宇佐神宮の伝説や歴史を描いた絵馬が飾られている。

昭和大造営前の絵馬舎

昭和大造営前の絵馬殿

宇佐神宮の歴史を描いた絵馬 1
宇佐神宮の歴史を描いた絵馬 2

宇佐神宮の歴史を描いた絵馬

宇佐神宮境内での昭和の大造営(1932〜1941)の際、菱形池は拡大され現在の形となった。

この時、菱形池の島にあった護皇神社が、現在地である大尾山に移された。

江戸末期「宇佐宮絵図」に描かれた菱形池

江戸末期「宇佐宮絵図」に描かれた菱形池

この記事に関するお問い合わせ先

都市計画課 景観・公園整備係
〒879-0492 大分県宇佐市大字上田1030番地の1 本庁舎2階

電話番号:0978-27-8181
ファックス:0978-32-2331

メールフォームによるお問い合わせ

ページに関する評価
このページは参考になりましたか?
このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?