令和7年6月第3回宇佐市議会定例会 市長所信表明

更新日:2025年06月17日

市長所信表明

令和7年6月第3回宇佐市議会定例会において、市長が市政運営にあたっての施政方針を説明しました。

所信表明

本日ここに、令和7年第3回宇佐市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、ご多用の中ご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
今議会は、私の市長就任後の最初の定例会でありますので、この機会に市政に臨む私の方針を申し述べさせていただき、皆様方のご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

私が市長に就任し、現在、直面しているのは、市財政の危機的状況です。令和5年度経常収支比率は、96.8%。これは合併後最大の数値となりますが、昨年度、試算した中期財政収支では6年度は99%前後となるおそれもあるという状況です。
その要因といたしましては、扶助費や人件費の割合が、他市と比較して多いことなどが挙げられます。さらには、物価高騰・賃上げなどによる物件費・人件費の増加、老朽化が進む公共施設の維持管理費の増加などが見込まれることから、経常収支比率の高止まりが懸念されています。
また、財政調整基金は、これまでの大型施設の整備や地方創生施策の展開に伴う慢性的な財源不足のため取崩しを続けてきました。その結果、6年度末残高は約27億円となっており、今後、事業の見直しなどを行わなければ、5年後には数億円にまで減少するという試算結果も出ております。
一方、市税をはじめとする歳入の大幅な増収は、今後も容易に見込めません。現在、本市はこのように非常に厳しい財政運営に陥っており、この状況下で市政を進めていく道のりは極めて険しいものと言わざるを得ません。

先の市長選挙におきまして、私は「新しい宇佐市へ」をスローガンに、市民の皆様と共に希望あふれる、笑顔あふれる宇佐市を創りたいと訴えてまいりました。財政状況を含め、課題は山積していますが、その一つひとつに立ち向かい、前に進んでいくためにも、これからその軸となる8つの施策について基本的な考え方を述べさせていただきます。

まず、1つめに市政改革です。
市民との信頼関係と透明性の高い公正な行政運営のため、私は市長の退職金制度を見直したいと考えております。市の非常に厳しい状況も踏まえ、まず、最初にこの改革を実行いたします。
そして、行政だけではなく、民間の知見も取り入れた意思決定プロセスの確立や市の魅力発信による交流人口及び産業連携の拡大、さらに院内・安心院地域の活性化を図ってまいります。
加えて、健全な財政運営と自主財源の確保のために、ふるさと納税をさらに充実させてまいります。

2つめに、子育て・若者支援です。
宇佐市の未来のために、この施策はどうしても外すことはできません。子どもたちの人生の節目を地域みんなで祝う仕組みとしての出産祝金や入学等に関する祝金をはじめ、給食費無償化、保育料無償化などの経済的支援により、子どもを産み育てやすい環境整備に取り組んでまいります。

3つめは、観光戦略についてです。
宇佐市を発展させるためには、観光の発展が最も重要であると考えます。図らずも本年は、宇佐神宮御鎮座1300年という節目の年を迎えています。この機会を逃さず、消費者の関心を的確に捉えて、宇佐市の魅力を国内外に発信してまいります。
また、新たな観光資源の誘致等についても積極的に取り組んでまいります。

4つめは、産業が栄える街についてです。
人口5万人を切った宇佐市において、人口減少を食い止めるための重要な政策は、産業の活性化です。
一次産業については、将来にわたって守り、育てていくための後継者育成制度の充実を図り、若者や新規参入者の支援体制を構築してまいります。
また、基幹産業の振興と同時に創業支援を強化し、地域に根づく事業者の育成及びスタートアップ企業の誘致にも積極的に取り組みます。
これらの推進により、新たな雇用と活力を呼び込み、地域を支える経済基盤を形成してまいります。

5つめは、新しいまちづくりについてです。
都市全体の未来像を見据え、時代の変化や地域の実情に即したまちづくりを目指します。
また、脱炭素社会の構築、情報格差のないまちを目指すとともに、地域の各種イベントの再興・新設・拡充により、にぎわいを創出し、宇佐市を「暮らしたくなる、働きたくなる、訪れたくなる」まちへと導いてまいります。

6つめは、充実した医療・福祉についてです。
年齢や障がいにかかわらず、安心して暮らしていくことができる社会を築くため、地域のつながりを再構築することで高齢者の孤立を防ぐとともに、サロンや集いの場を支援してまいります。また、障がいのある方が安心して働き、生活できる環境の整備を一層推進し、すべての市民が健康で生きがいを持つことができる宇佐市になるよう力を注いでまいります。

7つめは、安心・安全で住みやすいまちづくりです。
防犯カメラや自主防犯組織の育成などにより、すべての市民が安心して暮らせる生活環境を整えるとともに、防災面では災害拠点施設の整備を着実に進めてまいります。
さらに、暮らしの基盤となる移動手段の確保のため、循環バスやデマンド交通の導入・拡充を推進してまいります。

8つめは、豊かな教育のまちです。
宇佐市を豊かな教育のまちとするために、年齢を問わず誰もが学び、挑戦できる環境づくりを進めてまいります。
また、地域の伝統を生かした教育活動、ICTの導入など、一人ひとりが主体的に学べる学校づくりを進めるとともに、誰もが学べる市民講座の充実などにより、社会人・高齢者・子育て世代まで、それぞれのライフステージに合わせた学びの機会を広げてまいります。

逼迫した財政状況をはじめ、本市を取り巻く状況には非常に厳しいものがありますが、私はこの8つの施策を軸とし、市長として全力を尽くし、宇佐市を希望と笑顔があふれるまちへと育て、より良いかたちで次の世代へとつなげていくため、不退転の決意で市政運営に取り組んでいく所存であります。

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